古典文学全集 (3) 竹取・落窪物語  今回は「落窪物語」について書かせていただきます。
 ブロ友さんから勧められたものですから。

 ええ、これはまさにラブコメですね。
 平安時代のお嬢様方がきっと「きゃあきゃあ」言いながら萌え読んだ、ラブコメとみました。
 主人公は、おっとり美人の落窪の君。だれにでも優しく控えめで恥ずかしがり屋。頭も良けりゃ、お箏も上手い上にお裁縫も上手というスーパーお姫様。
 そんなよく出来たお姫様なのに、継母にはたんまりと憎まれいじめられています。
 そしてこの主人公・落窪の君の世話を焼く、バリバリウーマン。頼りになる親友ポジション(もちろん美人)は、召使の阿漕《あこぎ》。

 阿漕は物語の冒頭で、さっさと結婚してしまいます。お相手は、落窪の異母姉妹「三の君」の旦那(蔵人の少将)さんに仕えている帯刀さんです。またこの帯刀さんが、優しくて包容力のある、いい人って感じなのです。

「ちょっと、あんた、ウチの姫さんかわいそうだと思わないの?」
「も、もちろん思うよ」
「よし、んじゃこの手紙、少将の君に渡してよね!」
「お? おう!」

 こんな夫婦? もう、絵が浮かんできそうです。

 で、このお姫様の王子様となるのが上の会話にも出てきました左近の少将の君。

 この落窪の姫のところに左近の少将がこっそり通っていて、まだ部屋にいるところに継母乱入! の場面なんて、ラブコメ以外の何物でもない。と、萌えておりました。

「ちょっと姫様! どうしましょう! 奥方様が……!」
 めったに姫の部屋になどいらっしゃったことのない奥方のお渡りに、さすがの阿漕も慌てています。
「え? ええ? 少将の君……は、早くお支度を……」
 慌てふためく落窪と阿漕の様子を見て、少将はくくくっと喉の奥で笑われました。
「ふふ、いいから戸を開けておあげなさい。わたしは几帳の後ろにでも隠れています」
「だだ……だって、もし几帳のをあげられてしまったら……」
 落窪の姫の可愛らしいお顔はもう、真っ青です。
「その時は、着物を被って寝てましょう」
 少将の君は一度落窪の姫の頬にお手を滑らすと、几帳の影へとお隠れになりました。

 さあさあ、こんなんでましたーっ!……と、私の脳内妄想はこんなところにしておきましょう。

 解説には、この「落窪物語」は「源氏物語」出現の土台となったと書かれていました。

 けれども「源氏物語」とは、はっきりと方向性が違います。

 源氏はなんだかお耽美な感じなんですけどね……登場人物は貴族たちで、もののあわれとか、そこはかとない憂鬱とか、そんな情趣的なところがあるんですが、落窪は違います。
 阿漕とか(そのほかにも中納言とか)、位のひくい女の子がバンバン活躍して、物語をゴロンゴロン転がしていく感じです。彼(女)らは賢く、そして実際的で柔軟です。現代の私たちには実はこちらの物語のほうが、わかりやすいのではないかと思いました。
2017/12/27(水) 23:05 記事URL